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没小説ローン・ウルフ

久々に執筆中小説一覧を掃除したら没になったものが出てきましたwwwwwwとりあえずここに乗せておこうかなと思ってます。



「到着っと」

 たどり着いたのは、シャイレスト――火の塔だった。ここは主に、火の精霊と相性がいい生徒達が住んでいるが、その他に催しを開催するための会場などがあるのだ。選別式が終了した後、ほとんどの生徒がここで行われるイベントに参加するため、集まっていた。

 「テイル、テイルー!」
 ラピスがテイルの名前を呼ぶ。すると、人ごみの中から青い髪を後ろで束ねたテイルが背に大剣をしょって現れた。

 「なんか用か、ラピス――って、ラピス、何でゴミ袋なんか引きずってるんだ?」

 「…………ご、ゴミ袋じゃねえ」

 「うお!ゴミ袋がしゃべった」

 「…………もういい」

 ラピスに引きずられてから、約10分。レイオスは扉にぶつかったり壁にぶつかったり人にぶつかったりしながら塔についたのだ。そのせいで体は傷だらけになっている。

 …………フェヴェリオスと戦った時より重症な気がする。

 そうレイオスが思っていると、

 (大変な目にあったようだな)

 (レムエムか。今まで一体どこにいたんだ?)

 レムエムが後ろの壁からすっと入ってきて、念話をしてきた。もちろん姿は消してあるため、ほかの人たちからは誰にも見えていない。

 (いや、暇だから散歩しようと思ってな。そしたら、いやな奴に出会ったから今まで逃げていたのだ。さっきまで追いかけられていたが捲けたからもう大丈夫だろう)

 ブルルルッと、レムエムが体を震わせる。どうやら、そうとう怖かったらしい。

 (それってもしかして――)

 「もふもふ~~!どこですかぁ~?」

 突如、扉のほうから身の毛がよだつ声がした。わふっという声を出してレムエムが驚く。

 「あの声、校長かしら」

 「だな」

 「やっぱりか……」

 レムエムの体がさっきより震えている。やっぱり校長だったらしい。

 「あ~!レイオス君、体はもう大丈夫ですかあ~?」

 きょろきょろしていた校長が、レイオスを見つける。

 「あ、はい。おかげさまで、ありがとうございました」

 「いいのよいいのよ~、まさか学校の下にあんなものがあるなんて知らなかったけど、よ~く調べたら結構な年代物の建造物らしいの~。これでまたお金ががっぽがっぽ入るわ~」

 校長がむふふふと怪しい声を洩らす。

 「それで、もぐ、んぐ校長は何しに来たんすか?まさか、歓迎会に出るはぐ、んぐつもりじゃないだろうし」

 テイルが、どこから持ってきたのか両手いっぱいに食べ物を持ちそれをほおばりながら校長に話しかけた。

 「もふもふに用があってきたのですよ~。さっき見失ったんですが、なんだかここにいるような感じがするんです~」

 「もふもふってなんなんすか?」

 テイルが首をかしげると、校長は身振り手振りをしながら話し始めた。

 「こう、なんていうか、耳が二つあって顔が長くて獣の目で体が白くて足が四本あってもふもふしていて…………そう!あれは犬ですよ~」

 「最初っから、犬って言えばいいじゃない、校長。ってかそれってあの時レイオスの隣にいた犬じゃないの?」

 校長が顔をレイオスのほうにむける。目がうるうるとしだし今にも泣きだしそうな顔をする。
 
 「うっ……」

 レイオスはこういう顔が苦手だった。小動物を相手にするような感覚になる。

 (どうする?レムエム、別に害はなさそうだし言っても……)

 (な、ならん、ならんぞ!お前は、あの時一度見ているだろうが。あの顔に騙されるな。だから絶対に言うなよ)

 (って、言われてもな~)

 ちらり、とラピスの方を見る。パキ、ポキと指をならしレイオスに向かって威嚇する。

 (早く、出しなさいよあの犬!)
 口の動きでそうラピスがいう。いや、そんな気がしただけかもしれないがレイオスはこれ以上渋るとひどい目にあいそうな予感がした。

 「え~、あ~、まあ、校長とお話しした時もいたんですが、あれは俺の使い魔ですけど……」

 (レイオスーー!!)
 レムエムが尻尾を丸めこみ、まるで犬のように悲しい表現をする。おそらく、自分ではこの仕草に気づいていないのだろう。

 (本当にいぬみたいだ…………オオカミに見えん)

 そうレイオスが思っていると

 「そ、そこにいるんですか?もふもふは」

 はあはあと、息遣いを荒くした校長が手をにぎにぎと握ったり開いたりしながらレイオスのほうに近づいてきた。

 『く、来るな!来るなああああああああああ!!』
 レムエムが大声を出して、逃げ出す。

 「む!見つけましたよ~。覚悟ですぅ~」

 姿を隠していたレムエムが現れ逃げると同時に、校長も、もふもふ~と言いながらあとを追いかけ姿を消した。

 「…………レムエム、すまん」

 
 
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